賞状の正しい受け取り方完全解説|手足の順番と失敗しない礼法マナー
表彰式や卒業式、社内アワードの壇上など、人生の晴れ舞台で避けて通れないのが賞状や証書の授与です。多くの視線が注がれる中で「歩き出す足はどちらからか」「右手と左手はどちらを先に出すのが正解か」「お辞儀の角度やタイミングはどうすべきか」と直前になって強い不安を覚える人は少なくありません。
日常では滅多に行わない儀礼動作だからこそ、事前の予備知識がないと頭が真っ白になり、手足が同時に出てしまうようなハプニングも起こりがちです。伝統的な小笠原流などの礼法に根ざした美しい所作の原則と、現代の式典現場で恥をかかないための実践的なポイントを論理的かつ分かりやすく整理しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:手の出し方は「右手先・左手後」、足の運びは「右足から進み、下がる時は左足から」が礼法の鉄則です。
- 要点2:お辞儀は授与者と「同時に深く倒す」のではなく、文面朗読中は姿勢を保ち、読み終わりに合わせて適切な角度で一礼します。
- 要点3:賞状を持ったまま戻る際は両手で胸の高さに保つか、左脇に軽く抱え、背中を向けずに斜め後退してから反転するのが美しいマナーです。
【登壇から降壇まで】賞状の受け取り方と正しい一連の基本動作
賞状を受け取る際の一連の流れは、単なる手の動きだけでなく「歩行」「立ち位置の決定」「礼」「受領」「降壇」までがひとつの連動した所作として評価されます。舞台袖から名前を呼ばれて登壇する瞬間から、すでに参列者の視線は集まっています。
基本的な立ち位置は、授与者の正面から約3歩(約1.5メートル〜1.8メートル)手前が目安です。近すぎると賞状を受け取った際に身体がぶつかり、遠すぎると前かがみになって姿勢が崩れてしまいます。間合いを正しく測り、背筋をまっすぐに伸ばした状態で静止することが、落ち着いた印象を与える第一歩となります。
受領後は、賞状の高さや視線の配り方に注意を払いながら、焦らず落ち着いたテンポで降壇口へと向かいます。一連の動作を流れるように行うためには、各ステップの基準を頭の中でイメージトレーニングしておくことが極めて有効です。
実は手足の順番を間違えている?右手左手の出し方と決定的な所作
式典マナーの現場で最も混同されやすいのが、受領時の「手と足の順番」です。古来の日本礼法である「右進左退(うしんさたい)」や上位・下位の考え方に基づき、明確な基準が存在します。
賞状を受け取る際、両手を同時に突き出すのは不作法と見なされる場合があります。正式な作法では、まず「右手」を賞状の右端斜め下へ差し出し、続いて「左手」を左端斜め下へ添えるというわずかな時間差を設けます。手首を柔らかく使い、下から包み込むように受けることで、相手への敬意が自然と伝わります。
また、足の運びも重要です。授与者の前へ歩み寄る最後の一歩は「右足」から踏み出し、受領後に下がる際の一歩目は「左足」から引くのが基本です。この「右から出て左から引く」という規則性を覚えておくだけで、ぎこちないロボットのような歩行を防ぐことができます。
なお、左利きの受領者であっても、日本の儀礼作法においては右手を先に出すのが標準的です。ただし、無理に意識しすぎて動作がぎこちなくなるよりは、自然体で丁寧に両手で受け取る姿勢を保つことの方が現場では好印象に映ります。
【徹底比較】表彰式・卒業式における賞状授与マナーと所作一覧
式典の形式や授与される物品の形状(賞状一枚、筒入り、フォルダ・ケース入り)によって、細部の作法は異なります。主要なシチュエーションごとの違いを以下の比較表にまとめました。
| 受領アイテム・場面 | 詳細・動作の手順 | 一般的な基準・所作の角度 | 編集部の見解・実務アドバイス |
|---|---|---|---|
| 賞状(紙・額なし) | 右手→左手の順で下から受け取り、一度胸の高さまで軽く持ち上げて敬意を示す。 | 受領前の一礼:30度〜45度 受領後の会釈:15度 | 賞状が垂れ下がらないよう、両手の親指を手前にしてピンと張るように保持すると見栄えが良い。 |
| 賞状筒(丸筒ケース) | 筒の中央やや右手寄りを右手で受け、左手を添えて両手で受け取る。 | 受領前の礼:30度 脇に抱える角度:水平〜約30度 | 丸筒は転がりやすいため注意。受領後は速やかに左脇の下へ挟み、右手は自然に降ろす。 |
| 二つ折り証書ホルダー | 背表紙が左側(開く側が右側)に来る向きで、下から両手で受け取る。 | 受領前の一礼:30度〜45度 受領後の会釈:15度 | 表紙の校章やロゴが相手側および正面から正しく見える向きで渡されるため、回転させずにそのまま保持する。 |
| 複数名での代表受領 | 代表者1名が受領し、他列のメンバーは代表の動作と完全にシンクロして礼を行う。 | 全員同時の最敬礼:45度(約2秒停止) | 代表者が賞状を受け取る瞬間に列全員で頭を下げないよう、受領前後の合図に神経を集中させる。 |
【実態検証】現場で頻発するハプニングと筒・ホルダー別の扱い方
実際の表彰式や卒業式の現場では、リハーサル通りに進まない突発的な状況が多々発生します。中でも頻度の高いトラブルが「授与者が賞状を手放すタイミングとの不一致」と「降壇時の移動ルートの混乱」です。
授与者が賞状の文面を読み上げている間は、受領者は背筋を伸ばし、授与者の胸元あたりに視線を固定して直立します。文面が読まれている最中から手を差し伸べてしまうケースが散見されますが、これは焦りを感じさせるため禁物です。「〜これを賞します」という結びの言葉が終わり、授与者が賞状を差し出した瞬間に合わせて手を伸ばすのがベストです。
受け取った後の持ち方にも配慮が求められます。紙の賞状であれば胸の高さより少し上(目の高さよりは下)に掲げて一瞬静止し、その後お腹の高さまで自然に下ろします。階段を降りる際、視界が遮られないよう賞状を左脇に抱える作法を用いる場合もありますが、この際は賞状の文字が書かれた表面を自分の体側に向け、白い裏面が外側に見えるように抱えるのが伝統的なマナーです。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|左利きや渡し方の疑問
ネット上のマナー解説の中には、過度に形式主義を強調した極端な情報も散見されます。「一歩でも足順を間違えたら無作法」「左利きは完全に矯正しなければならない」といった言説は、現代の式典現場の実情とは乖離しています。
現代のビジネスアワードや公的式典において最も重視されるのは、形式の厳密さそのものよりも「授与者への敬意が伝わる落ち着いた身のこなし」です。手足の順番を万が一間違えたとしても、慌てて足をバタつかせたり、顔に出てしまったりする方が悪目立ちします。間違えても何事もなかったかのように堂々と振る舞うことが最大の防御策です。
また、賞状を渡す側のマナーとしても、相手が右手・左手を添えやすいよう賞状の端を空けて中央寄りを把持する配慮が求められます。受領側と授与側の呼吸が合ってこそ、格式高い式典の空間が完成します。
【プロの結論】失敗を恐れず堂々と振る舞うための判断基準
式典で高い評価を受ける所作と、避けるべきNG行動の分岐点は明確です。
【推奨される振る舞い】
- 動作と動作の間に「1秒の静止」を意識し、メリハリをつける。
- お辞儀をする時は首だけを曲げず、腰骨から上半身を一直線に倒す。
- 授与者の目を見て一礼し、受領時は賞状に視線を落とし、最後にもう一度授与者の目を見る。
【見送るべき・避けるべき悪習慣】
- 緊張のあまり小走りで壇上を移動する。
- 賞状を片手で乱暴に鷲掴みにする。
- 受領直後にすぐ授与者に背中を向けてターンする(必ず2歩ほど後退してから方向転換する)。
【賞状 受け取り 方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:お辞儀のタイミングは賞状を受け取る前と後のどちらですか?
A1:基本的には両方行います。授与者の前に進み出てまず受領前の「深い一礼(30度〜45度)」を行い、賞状を受け取って胸元に収めた後に「軽い会釈(15度)」を交わしてから降壇へと移るのが正式な作法です。
Q2:丸筒や証書ホルダーを受け取った後、左脇に抱えるのは失礼になりませんか?
A2:失礼には当たりません。特に階段を降りる際などは、両手で持ったままだと足元が見えず転倒の危険があるため、受領後に会釈を済ませたら速やかに左脇に挟むのが実務上も推奨される正しい所作です。
Q3:左利きの場合、どうしても左手が先に出てしまうのですが減点対象になりますか?
A3:公式なコンテストや厳格な伝統儀礼を除き、一般的な学校や企業式典で減点やマナー違反とされることはほぼありません。右手先が理想ではありますが、左右ほぼ同時に自然な形で下から支えるように受け取れば十分に礼儀正しく見えます。
まとめ:所作の本質を理解して自信を持って舞台に立とう
賞状の受け取り方における作法は、単なる形式的なルールではなく、賞を授与してくれる相手や周囲の参列者に対する感謝と敬意を身体で表現するための合理的な知恵です。「右手先・左手後」「右足から進み、左足から引く」「動作の合間に静止を入れる」という基本ルールさえ押さえておけば、どのような大舞台であっても過度に緊張する必要はありません。
本番直前には深呼吸を行い、背筋を伸ばして堂々とした歩みを意識してください。格式ある美しい所作は、受章・卒業という輝かしい実績をより一層引き立ててくれるはずです。 (出典: 賞状 受け取り 方(Yahoo!ニュース))