てんとう虫の食べ物は何?アブラムシ以外の代用餌や飼育法を徹底解説
庭先や公園で子どもから大人まで親しまれているてんとう虫。愛らしい姿から自宅で飼育してみたいと考える方も多いですが、いざ虫かごに入れると「何を餌にすればいいのかわからない」「アブラムシが近くで見つからない」と頭を抱えるケースが後を絶ちません。
一般的に「てんとう虫=アブラムシを食べる」というイメージが定着していますが、実はすべてのてんとう虫が肉食というわけではありません。種類によっては植物の葉を食べる草食性や、植物の病気原因となるカビを食べる菌食性も存在します。正しい食べ物の知識と手軽に用意できる代用餌の与え方を把握しておけば、自宅でも元気に飼育することが可能です。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:てんとう虫の食性は「肉食(アブラムシなど)」「菌食(うどんこ病菌など)」「草食(ナス科の葉など)」の3タイプに大きく分かれる。
- 要点2:肉食性の飼育では、アブラムシの代用として薄めた砂糖水・はちみつ・りんご・昆虫ゼリーなどが活用できる。
- 要点3:幼虫期も成虫と同じ食性を持つが、冬越し中は休眠するため給餌よりも適切な水分補給と温度管理が生存の鍵となる。
【種類別】てんとう虫の食べ物一覧|アブラムシだけではない食性の真実
てんとう虫(テントウムシ)と一口に言っても、日本国内だけで約180種類以上が確認されています。飼育を始める前に、目の前にいる個体がどのグループに属しているかを知ることが最重要です。
食性ごとの代表種と好む食べ物は以下の3つに大別されます。
1. 肉食性(益虫):ナナホシテントウ・ナミテントウなど
もっともポピュラーなグループです。成虫・幼虫ともにアブラムシやカイガラムシ、ハダニなどの微小な害虫を捕食します。1日に数十匹のアブラムシを平らげる大食漢であり、農業や園芸の現場では「生きた農薬」として重宝されています。
2. 菌食性(益虫):キイロテントウ・シロホシテントウなど
体長4〜5mmほどの黄色や白斑を持つ小型のてんとう虫です。彼らの主食はアブラムシではなく、植物の葉に発生するうどんこ病などの菌類(カビ)です。葉の表面に広がる白いカビを削り取るように食べて植物を守るため、こちらも益虫として扱われます。
3. 草食性(害虫):ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)など
背中に細かい黒点がたくさんあるのが特徴で、トマト、ナス、ジャガイモといったナス科植物の葉を主食とします。葉を網目状に食害して作物を弱らせてしまうため、農業界では害虫として警戒されています。
益虫と害虫の見分け方|背中の模様と表面のツヤに注目
自宅で飼育する際や家庭菜園で見かけた際、益虫か害虫かを見分けるポイントは「羽のツヤ」と「星(斑点)の数」にあります。
ナナホシテントウ(星が7個)やナミテントウ(星が2個〜多数、多彩な模様)などの肉食性グループは、羽の表面がつるつるとしていて光沢があります。また、キイロテントウも鮮やかな黄色で強いツヤを放ちます。
一方で、草食性害虫であるニジュウヤホシテントウは、名前に「28」とある通り細かな黒点がびっしりと並んでおり、羽の表面に微細な毛が生えているためツヤがなく粉を吹いたような質感に見えます。もしナス科の葉を好んで食べる個体であれば、アブラムシではなく新鮮なナスの葉などを与える必要があります。
てんとう虫の幼虫は何を食べる?成虫との違いと食事の特徴
てんとう虫の幼虫は、成虫の丸くて可愛らしい姿とは大きく異なり、黒地にオレンジの斑点があるトゲトゲとした毛虫のような外見をしています。一見すると毒虫のように見えますが、人間に害はありません。
幼虫の食べ物は基本的に成虫と同じです。ナナホシテントウの幼虫であれば、孵化した直後からアブラムシを探して活発に捕食します。特にサナギになる直前の終齢幼虫は非常に食欲が旺盛で、成虫以上に多くのアブラムシを消費します。
幼虫を飼育する場合、代用餌だけでは栄養が偏り羽化不全(サナギから成虫になれない状態)を起こしやすいため、生きたアブラムシをたっぷり与えることが育成成功の絶対条件です。
自宅飼育で使える「代用餌」まとめ|砂糖水・りんご・昆虫ゼリーの与え方
肉食性のてんとう虫を飼う際、毎日新鮮なアブラムシを捕まえてくるのは簡単ではありません。そうした時に役立つのが、家庭にある身近な食材を使った代用餌です。
あくまで一時的なエネルギー補給や補助食という位置づけですが、成虫であれば代用餌を活用して長期間飼育することが可能です。
■ 砂糖水・はちみつ水(即効性のあるエネルギー源)
水で約5〜10倍に薄めた砂糖水やはちみつは、てんとう虫の大好物です。与える際は、浅い小皿に直接入れると体が張り付いて溺死してしまう危険があるため、脱脂綿や小さく丸めたティッシュペーパーに染み込ませて飼育ケース内に設置してください。
■ りんご・バナナ(水分補給と糖分補給)
薄くスライスしたりんごや少量のバナナも好んで吸汁します。果汁から水分と糖分を同時に摂取できるため重宝します。ただし常温では腐敗やカビの発生が早いため、毎日新しいものへ交換してください。
■ 昆虫ゼリー(カブトムシ・クワガタ用)
市販の昆虫ゼリー(特に高タンパクタイプや黒糖タイプ)も代用可能です。そのまま入れると足が埋まってしまうため、小さじ半分程度をすくい取り、ペットボトルのキャップなどに入れて与えると安全です。
てんとう虫の冬越し(越冬)の餌やりと飼育環境の整え方
野生のてんとう虫は、秋が深まると木の皮の隙間や落ち葉の下、日当たりの良い建物の隙間などに集まり、集団で冬越しを行います。
冬越し中のてんとう虫は「休眠状態」に入るため、基本的に餌を食べません。活動を停止して体力を温存している状態なので、無理に餌を食べさせようとする必要はありません。
ただし、越冬中に最も警戒すべきなのは「乾燥」です。飼育下で冬越しさせる場合は、以下の点に配慮してください。
・置き場所:暖房の効いていない玄関やベランダなど、寒さを感じられる冷暗所に置く。
・乾燥対策:霧吹きで湿らせたキッチンペーパーをケースの隅に置くか、数日に一度ケース内を軽く加湿して適度な水分補給ができる環境を維持する。
・目覚めてしまった場合:暖かい室内に置いて活動を再開してしまった場合はエネルギーを消費するため、薄めた砂糖水やりんごを与えて栄養を補給させる。
失敗しない飼育の注意点|溺死・カビ・共食いを防ぐレイアウト
てんとう虫は体が小さくデリケートな昆虫です。飼育環境を整える際は次の3つのトラブルに十分注意してください。
1. 水滴による溺死事故
霧吹きを成虫に直接吹きかけたり、水滴が大きすぎたりすると、羽に水が張り付いて窒息死することがあります。水分を与える際は必ず脱脂綿等に吸わせる形をとってください。
2. 餌の放置によるカビとコバエ
砂糖水やりんご、昆虫ゼリーは放置すると数日で白カビが生えたりコバエが湧いたりします。不衛生な環境はてんとう虫の病気の原因になるため、代用餌は原則として毎日交換し、ケース内を清潔に保ちましょう。
3. 幼虫の多頭飼いによる共食い
幼虫は餌が不足すると、脱皮直後の無防備な仲間やサナギを食べてしまう習性があります。複数匹を同じケースで飼育する場合は、十分な量のアブラムシを常に確保するか、個別にケースを分けるのが無難です。
【てんとう虫の食べ物】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:アブラムシがまったく手に入らない場合、成虫はずっと砂糖水だけで生きられますか?
A1:成虫であれば砂糖水やりんご、昆虫ゼリーだけでも数週間〜数ヶ月生存することは可能です。ただし、産卵を行わせたい場合や健康的な寿命を全うさせるには動物性タンパク質が必要となるため、定期的にアブラムシを採取して与えるのが理想的です。
Q2:アブラムシはどこを探せば見つかりますか?
A2:春から初夏、秋にかけて、カラスノエンドウなどのマメ科植物の新芽、ツツジの葉の裏、家庭菜園の野菜、庭の雑草の先端などにびっしりと群生しています。茎ごとハサミで切り取って飼育ケースに入れてあげると、鮮度を保ったまま給餌できます。
Q3:てんとう虫が餌を食べてくれない時の原因は何ですか?
A3:種類に合わない餌を与えている(例:草食種にアブラムシを出している)、気温が低く活動が鈍っている、サナギになる直前や脱皮前で絶食している、あるいは寿命が近づいている可能性が考えられます。まずは種類を確認し、適温(20〜25℃前後)を保ちながら様子を見てみましょう。
まとめ:生態に合わせた餌選びでてんとう虫を元気に育てよう
身近な昆虫でありながら、意外と知られていないてんとう虫の食性。肉食性、菌食性、草食性とそれぞれ好む食べ物が根本から異なるため、まずは捕まえたてんとう虫の種類を見極めることが飼育の第一歩となります。
身近なナナホシテントウやナミテントウであれば、アブラムシが手に入らない時でも薄めた砂糖水やカットしたりんごを使って十分にお世話が可能です。適切な水分補給と清潔な飼育ケースを心がけ、愛らしいてんとう虫の観察を楽しんでみてください。 (出典: てんとう 虫 食べ物(Yahoo!ニュース))