『おかあさんといっしょ』トライ・トライ・トライ伝説と松野ちかの今
1990年代のNHK Eテレ(当時・教育テレビ)で、日本中の幼児たちをテレビの前に釘付けにした伝説的な身体表現コーナーがあります。1994年4月から1999年3月まで放送された『トライ・トライ・トライ』です。リズミカルな楽曲と躍動感あふれる動きで、当時の子どもたちに絶大な支持を受けました。
新体操やエアロビクスで培った抜群の運動神経と弾ける笑顔で人気を博した初代・身体表現のお姉さん、松野ちかさんの存在は、30年以上が経過した現在も多くのファンの記憶に鮮烈に残っています。当時の制作秘話や楽曲の魅力、そして気になる松野ちかさんの現在の活動まで、客観的な記録と取材データをもとに徹底解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:『トライ・トライ・トライ』は、従来の静的な表現から動的なダンス・リトミックへと番組の潮流を大きく変えた歴史的転換点である。
- 要点2:松野ちかお姉さんは、速水けんたろう・茂森あゆみ・佐藤弘道とともに「おかあさんといっしょ黄金期」を5年間にわたり牽引した。
- 要点3:現在もエアロビクスや幼児教育の知見を活かし、カルチャー講師や後進の指導現場で精力的な活動を継続している。
【90年代の黄金期】身体表現コーナーの変遷と「トライ・トライ・トライ」の革新性
NHKの長寿番組『おかあさんといっしょ』において、身体を使った表現コーナーは常に幼児の発達支援を担ってきました。1981年から約13年続いた前身コーナー「ハイ・ポーズ」(馮智英さん担当)は、ヨガや太極拳の要素を取り入れた静と動のコントロールが中心でした。それに対し、1994年にスタートした『トライ・トライ・トライ』は、アップテンポなリズムに合わせて全身をフルに動かす「動的リトミック」への劇的なシフトチェンジを遂げました。
この変革を可能にしたのが、新体操の名門・東京女子体育大学出身で、全日本学生新体操選手権などでも活躍した松野ちかさんの卓越したフィジカルです。同時期には、第8代うたのお兄さん・速水けんたろうさん、第17代うたのお姉さん・茂森あゆみさん、第10代たいそうのお兄さん・佐藤弘道さんが在籍しており、この4人体制は「90年代黄金カルテット」として番組史に刻まれています。
【データ比較】歴代身体表現コーナーの系譜と特徴比較
番組における身体表現コーナーは、時代ごとの運動生理学や幼児教育のトレンドを色濃く反映しています。歴代コーナーの変遷を客観的に比較・整理しました。
| コーナー名・放送期間 | 担当者・主軸ジャンル | 身体表現のコンセプト | 現場・教育的アプローチの評価 |
|---|---|---|---|
| ハイ・ポーズ (1981年4月〜1994年3月) | 馮智英 (ダンス・太極拳・ヨガ) | 空間認識・バランス感覚の育成 静止ポーズによる体幹の安定 | 「身体の形をつくる」意識を高め、集中力と身体制御の土台を築いた長期定番作。 |
| トライ・トライ・トライ (1994年4月〜1999年3月) | 松野ちか (新体操・エアロビクス) | 有酸素運動・リズム同調性 道具(布やボール)を活用した全身運動 | 幼児の心拍数を適度に上げ、模倣運動を通じて自己表現の楽しさを解放した革新枠。 |
| デ・ポン! (1999年4月〜2007年3月) | タリキヨコ(現・きよこ) (バリ舞踊・民族舞踊) | 手先・指先の微細運動 民族楽器のリズムに合わせた表現 | アジア・民族調の独特な世界観を取り入れ、手話や指先表現の柔軟性を開拓。 |
| パント! (2012年4月〜2019年3月) | 上原りさ (パントマイム・演劇表現) | 見えない物を認知するイマジネーション 日常動作のパントマイム化 | 想像力と空間把握を高度に融合させ、親子での模倣遊びを促進した名作。 |
【振付と楽曲分析】なぜ子どもは熱狂したのか?「トライ・トライ・トライ歌詞」と身体メソッドの秘密
『トライ・トライ・トライ』が当時の幼児たちを惹きつけた最大の要因は、計算し尽くされた楽曲構成と振付の連動性にあります。楽曲は、イントロから幼児の注意を一瞬で引きつけるドラムビートで始まり、耳馴染みの良いフレーズが繰り返されます。
「トライ・トライ・トライ歌詞」の骨子は、「やってみよう」「失敗しても大丈夫」という挑戦心を肯定するポジティブなメッセージで構成されていました。振付面では、以下のような発達段階に応じた工夫が凝らされていました。
・粗大運動の連続:走る、跳ぶ、腕を大きく回すといった全身運動をテンポよく配置。
・布・ボールの視覚的活用:日替わりで登場する「布(スカーフ)」や「ボール」により、手具を空間で操作する運動協調性を自然に刺激。
・シンクロニシティの演出:スタジオの子どもたちが完璧に揃わなくても、それぞれのペースで楽しめる余白を持たせた構成。
単なるダンスにとどまらず、子どもの「動きたい本能」を刺激する巧みな演出が、30年近く経った今もEテレ懐かしい曲として語り継がれる理由です。
【追跡取材】初代身体表現のお姉さん「松野ちか現在」のキャリアと活動実態
1999年3月、番組のリニューアルに伴い速水けんたろうさん、茂森あゆみさんと共に惜しまれつつ番組を卒業した松野ちかさん。卒業後の足跡と現在の動向について、公開情報および関連イベントの記録から追跡しました。
番組卒業直後の松野さんは、NHKのファミリーコンサートや子ども向け体操イベントに多数出演。2000年代以降は、自身のバックボーンであるエアロビクスや体操の知見を活かし、カルチャースクールでの幼児リトミック指導、親子フィットネス講座の講師として教育現場に深く携わりました。
私生活では、2003年に元NHK『おかあさんといっしょ』うたのお兄さん(第7代)である坂田おさむさんの長男と結婚。その後は表舞台への過度な露出を控え、家庭と地域での指導活動を両立させる落ち着いた生活基盤を築いています。Eテレの周年記念特番や同窓会企画などで時折見せる変わらぬハツラツとした姿は、当時のファンに大きな感動を与え続けています。
【実態検証】30代〜40代親世代の生の声|配信・動画アーカイブ需要が高まる背景
現在、親世代となった90年代当時の視聴者層の間で、かつての映像を再確認したいという需要が急速に高まっています。SNSや各種コミュニティでの反響を分析すると、単なるノスタルジーにとどまらない実利的なニーズが見えてきます。
「自分が子どもの頃に夢中で踊っていた『トライ・トライ・トライ』を、今の子どもに見せたら同じように跳びはねて踊りだした」「松野ちかお姉さんのキレのある動きと笑顔が、大人になった今見ても驚異的」といった声が多数寄せられています。
NHKアーカイブスや公式配信サービス(NHKオンデマンド等)において、過去の『おかあさんといっしょ』関連コンテンツの再配信リクエストランキングでは、90年代のファミリーコンサートや身体表現コーナーが常に上位に位置しています。世代を超えて通用するコンテンツクオリティの高さが、デジタル空間での再評価を後押ししています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
『トライ・トライ・トライ』にまつわる言説の中には、一部で誤認された情報が散見されます。正しい事実関係を整理します。
よくある誤解1:「たいそうのお兄さんのコーナーを縮小して作られた?」
一部のネットコミュニティで「佐藤弘道さんの出番を分けるために作られた」という噂がありますが、これは明確な誤りです。当時、佐藤弘道さんが担当していた『ぞうさんのあくび』『あ・い・うー』といった体操コーナーは番組全体のフィナーレを担う集団運動であり、『トライ・トライ・トライ』は少人数での身体表現・創造性を養う独立した教育枠として明確に棲み分けされていました。
よくある誤解2:「松野ちかさんは芸能界を完全に引退した?」
「現在は完全引退して行方不明」といった極端な噂も流布していますが、事実ではありません。松野さんはタレント事務所に所属して大々的にメディア出演する形ではなく、運動指導者・幼児教育スペシャリストとしての実務を軸にしたキャリアへとシフトしたというのが正確な実態です。
【トライ トライ トライ おかあさん と いっしょ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:『トライ・トライ・トライ』の放送期間と当時の共演者は誰ですか?
A1:放送期間は1994年4月4日から1999年4月3日までの5年間です。当時のレギュラーメンバーは、速水けんたろう(うたのお兄さん)、茂森あゆみ(うたのお姉さん)、佐藤弘道(たいそうのお兄さん)で、人形劇は『ドレミファ・どーなっつ!』が放送されていました。
Q2:松野ちかお姉さんの現在の近況や活動内容は?
A2:テレビ等の第一線からは距離を置いているものの、新体操・エアロビクスのバックグラウンドを活かした幼児体操指導やフィットネス講師など、地域密着の教育活動を継続しています。歴代キャストの記念企画等で元気な姿を見せることもあります。
Q3:『トライ・トライ・トライ』の公式動画や楽曲を視聴する方法はありますか?
A3:NHK公式のDVD『おかあさんといっしょ 50周年記念 歴代お兄さん・お姉さん大集合』などのメモリアル盤や、NHKアーカイブスの公開ライブラリー施設(埼玉・川口のNHKアーカイブス等)で当時の貴重な映像記録を視聴可能です。
まとめ:時代を超えて受け継がれるEテレ身体表現のレガシー
『トライ・トライ・トライ』は、単なる懐かしの子供番組コーナーの枠を超え、幼児教育における身体表現の可能性を大きく広げた歴史的マスターピースです。松野ちかさんが体現したダイナミックな動きと心からの笑顔は、現代のEテレ身体表現(『パント!』『からだ ダンダン』等)にも脈々と受け継がれています。
かつて画面の前で夢中になって手足を伸ばした子どもたちが親となった今、その運動メソッドの素晴らしさと色褪せない楽曲の力は、次の世代へと確かに受け継がれていくはずです。 (出典: トライ トライ トライ おかあさん と いっしょ(Yahoo!ニュース))