久米設計本社ビルの全貌に迫る!潮見移転の真相と免震環境設計の実力
東京湾岸エリアの運河沿いに位置する江東区潮見。JR京葉線の車窓からも目を引く、端正なガラスとルーバーのファサードを纏った建築物が株式会社久米設計の本社ビルです。日建設計や日本設計と並び、日本の都市景観を牽引してきた屈指の組織設計事務所が、なぜ都心の一等地からこのウォーターフロントへ本拠地を移したのか。その背景には、単なるオフィス移転にとどまらない、建築の未来を見据えた壮大な戦略が隠されていました。
2007年秋の竣工から現在に至るまで、建築関係者や就職活動中の建築学生から熱い視線を集め続ける同ビル。免震構造の先駆的導入や徹底した環境配慮設計、さらには実際に働く所員の口コミに至るまで、2026年最新の現場取材と公開データをもとにその全貌を徹底解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:港区南青山から江東区潮見への移転理由は、単なるコスト削減ではなく「自社の環境・免震技術を実証する生きた実験場(ライブ・ラボ)」の獲得だった。
- 要点2:基礎免震構造と中央の巨大アトリウムによる自然換気(重力換気)を融合させ、CASBEE最高Sランクを達成した日本屈指の環境配慮型自社ビル。
- 要点3:採用市場でも「壁のないシームレスな執務空間」が高評価を得る一方、潮見特有の周辺環境や組織設計ならではのハードワークに対するリアルな評判も存在する。
【謎に包まれた潮見のランドマーク】久米設計本社ビルとは何者か?
国内屈指の組織設計事務所である久米設計の本社ビルは、一体どのような建物なのか。建築ファンや業界関係者の間では「一度は内部を見るべき傑作自社ビル」として広く語り継がれています。その拠点が構えるのは東京都江東区潮見2丁目。かつて倉庫街や準工業地域としての色彩が濃かったこの地に、地上6階建て・延床面積約1万3,000平方メートル超の洗練されたオフィスが誕生したことは、当時の建築界に鮮烈なインパクトを与えました。
同社の原点は、1932年に創業者である久米権九郎が立ち上げた久米建築事務所に遡ります。ドイツの工科大学で合理的な構造力学と耐震技術を学んだ久米権九郎は、日光金谷ホテル別館や軽井沢ホテルなどを手掛け、日本の近代建築史にその名を刻みました。そのDNAである「構造と意匠の高度な融合」は、現在の本社ビルにも色濃く受け継がれています。
建物へのアプローチとなる久米設計本社 アクセスは、JR京葉線「潮見駅」東口から徒歩約3分。東京駅からの乗車時間はわずか7分という好立地にありながら、運河に面した敷地は開放感に満ちています。外観を特徴づけるのは、太陽光の入射角を綿密に計算して配置されたアルミ押し出し材の水平ルーバーと、透明感あふれるガラスのカーテンウォール。周辺の運河景観と調和しながらも、ひと目で「設計のプロ集団が自ら創り上げた城」であることが伝わってくる堂々たる佇まいです。

なぜ青山から潮見へ?驚きの「移転理由」と業界を震撼させた決断の背景
建築業界において、久米設計の歩みの中で最大のターニングポイントとして語られるのが、2000年代半ばに起きた久米設計 ニュース 経緯です。長年本拠を構えていた港区南青山の青山通り沿いといえば、日本を代表するデザイン・ファッション・ビジネスの最高峰エリア。そこから湾岸の潮見へ自社ビルを新築して全面移転するという発表は、当時「なぜ青山を手放すのか」「都落ちではないのか」と業界内外で大きな波紋を呼びました。
しかし、取材や公式発表資料から浮き彫りになる久米設計 移転 理由の真実は、外野の憶測とは正反対の極めて先進的な戦略でした。当時、同社が直面していたのは「賃貸ビルの中にいては、これからの時代に求められるサステナブル建築やBCP(事業継続計画)のリアルな提案ができない」という強烈な危機感でした。
当時、経営陣や設計チームが掲げたスローガンは「自社ビルを丸ごと、環境技術と新しい働き方の実験場(ライブ・ラボラトリー)にする」というものです。テナントビルの一角では、床を抜いて巨大な吹き抜けを造ることも、独自の免震装置を地下に組み込むこともできません。南青山のステータスを潔く脱ぎ捨て、広大な敷地を確保できる潮見の地で「自社の技術力のすべてをショールームとして顧客に見せる」という合理的な実利を選択したのです。この決断は2020年代以降の脱炭素社会や激甚災害の頻発を見事に先取りしており、現在では先見の明に満ちた英断であったと高く評価されています。
【建築概要と構造美】免震構造と環境配慮型オフィスが融合した先端テクノロジー
プロの建築家たちが息をのむ久米設計本社ビル 建築概要の白眉は、徹底したテクノロジーの統合にあります。建築基準法上の耐震性を遥かに上回る免震構造の採用と、エネルギー消費を極限まで抑える環境配慮型オフィスのシステムが、建築デザインそのものとして美しく昇華されている点に最大の妙味があります。
建物の足元には積層ゴム支承や減衰ダンパーを配置した基礎免震構造を採用。大地震時にも建物の揺れを大幅に低減し、執務室内のPCや模型、図面サーバーの保全はもちろん、震災直後から即座に復旧支援活動を行える最高水準のBCP拠点を確立しました。
さらに特筆すべきは、建物中央を縦断する巨大なアトリウム空間(エコシャフト)です。この吹き抜けは、単なる視覚的な演出ではありません。運河から吹き込む心地よい風を建物内に取り込み、温度差による空気の浮力を利用して熱気とCO2を頂部から排出する「重力換気システム」の要となっています。これにより、中間期には空調を止めて自然換気だけで快適な室内環境を維持することが可能です。建築環境総合性能評価システム(CASBEE)において最高ランクの「Sランク」を取得した実績は、数ある国内オフィスビルの中でも群を抜く完成度を物語っています。
ここで、一般的な都心の大規模賃貸オフィスと久米設計本社ビルの性能・空間特性を客観的なデータで比較してみましょう。
| 項目 | 久米設計本社ビルの仕様・数値 | 一般的な都心賃貸オフィスの標準値 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 構造・耐震性能 | 基礎免震構造(S造・地上6階) | 耐震構造または制震構造が中心 | 巨大地震発生時でも業務継続が可能な極めて強固なBCP性能を誇る。 |
| 省エネ・環境性能 | CASBEE「Sランク」/エコボイド自然換気 | CASBEE「Aランク」または標準基準 | 自然光と風のドラフト効果を巧みに設計へ組み込み、エネルギー消費を大幅削減。 |
| 執務フロア設計 | 無柱大スパン空間+オープンアトリウム | 柱グリッド制約あり/基準階分割区画 | 意匠・構造・設備チームがフロアの境界を意識せず即座に対話できる動線設計。 |
| 立地・通勤環境 | JR潮見駅徒歩約3分(東京駅直通7分) | 千代田・中央・港区の地下鉄直結など | 駅至近で東京駅へのアクセスは抜群だが、飲食店の選択肢は都心一等地に劣る。 |

【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル|評判とオフィス環境
どれほど建築スペックが優れていても、そこで働く人間にとって快適でなければ名建築とは呼べません。新卒・中途を問わず建築業界の志望者が最も気にする久米設計 採用 オフィス環境や、社員・OBによる久米設計 評判の実態はどうなのでしょうか。口コミサイトやオープンカンパニー、業界関係者の証言を突き合わせると、光と影の両面が浮き彫りになります。
まず圧倒的に高く評価されているのが、アトリウムを取り囲むように配置されたワンプレートのオープンフロアです。実際に働く所員の手記やインタビューでは、次のような声が目立ちます。
「階段を上り下りするだけで、他チームが制作している建築模型や構造計算の議論が自然と視界に入る。自分の担当プロジェクトに行き詰まったとき、ふと見下ろした吹抜けからインスピレーションを得られる環境は、組織設計事務所の中でも随一の働きやすさだと感じる」(30代・意匠設計所員)
また、大学や学会向けに不定期で実施される久米設計 オフィス見学に参加した建築学生たちからも、「外気を取り込むスリットや自然光のグラデーションが計算し尽くされており、教科書に載っている環境建築の実物を肌で体感できた」「模型室やプレゼンルームの充実度が凄まじく、本気で建築に没頭できる空気がある」といった感動の声が寄せられています。
一方で、リアルな現場検証として見落とせない「影」の部分も存在します。社員の不満として頻繁に挙げられるのが、潮見エリア特有のランチ環境です。「青山時代と違って周囲に飲食店が少なく、コンビニや社内カフェスペースに偏りがち」「仕事帰りに同僚と軽く一杯飲む場所の選択肢が限られている」といった声は、2026年現在も根強く聞かれます。また、コンペ前や実施設計の佳境における残業の多さなど、組織設計特有の激務耐性が求められる点については、他社と同様に覚悟が必要と言えるでしょう。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「不便な埋立地」という先入観を覆す
ネット上の掲示板やSNSでは、久米設計本社ビルに関して時折「湾岸の埋立地だから液状化や津波が危険なのでは」「京葉線は快速が止まらないから不便」といった誤解やネガティブな噂が散見されます。しかし、これらの指摘の多くは現地の実態や建築的な対策を知らないことによる杞憂です。
まず交通利便性について。潮見駅は京葉線の各駅停車しか停まりませんが、東京駅からわずか3駅・所要約7分という近さです。銀座や大手町、新木場を介した有楽町線・りんかい線への連絡も極めてスムーズで、主要ターミナル駅へのアクセス性は山手線の外周部よりも遥かに優れています。
さらに防災面における誤解も、綿密な地盤改良と免震ピットの設計によって完全に払拭されています。同ビルは敷地全体の盤上げや止水板設備の配置など、水害対策を徹底的に施した上で杭基礎を強固な支持層まで打ち込んでいます。東日本大震災の際にも構造的な損傷は皆無であり、免震装置がエネルギーを完璧に吸収したことが記録されています。「不便で脆い埋立地」というイメージは、先端テクノロジーを知らない者の先入観に過ぎません。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
久米設計本社ビルというハードウェア、そして同社が目指すワークスタイルを総合的に分析したとき、ここを目指すべき人と慎重になるべき人の輪郭が明確になります。
【向いている人・おすすめできる人】
- 環境共生・サステナブル建築を肌感覚で学びたい人:自社ビルそのものが最先端の教材であり、環境シミュレーションと実際の温熱・気流データの関係性を日常業務の中で検証できる環境は唯一無二です。
- オープンなコミュニケーションを好む協働派:フロアの隔たりがないため、意匠・構造・設備・積算の各セクションが横断的に交わる働き方にフィットする人には理想郷と言えます。
- 集中して設計作業に没頭したい実務重視派:都心の喧騒から適度に離れた潮見の落ち着いた水辺環境は、じっくりと図面や模型に向き合うクリエイティブな時間を提供してくれます。
【おすすめできない・慎重になるべき人】
- 都会的なアフターファイブや華やかな街の刺激を求める人:表参道や六本木のようなトレンド発信地での生活・勤務に憧れが強い場合、潮見の静かな住工混在環境にギャップを感じる可能性があります。
- 閉鎖的・個別ブース的な空間で一人静かに作業したい人:巨大アトリウムによるオープン設計は、他者の気配や視線が常に交差するため、パーソナルスペースの完全な遮断を求める人にはストレスになる場合があります。

【久米設計本社ビル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:一般人でも久米設計本社ビルのオフィス見学は可能ですか?
A1:原則として社屋内部はセキュリティが厳重に管理された執務空間であるため、一般個人の自由見学は受け付けていません。ただし、建築学会等のイベント、建築系大学・大学院の教育プログラム、就職活動生向けのオープンカンパニーやオフィスツアーなどの機会を通じて内部を見学できる場合があります。外観やエントランス周辺の公開空地については公道から眺めることが可能です。
Q2:最寄り駅の潮見駅からのアクセス方法や所要時間は?
A2:JR京葉線「潮見駅」東口を出て、運河方面へ徒歩約3分の距離です。駅改札を出て右手(東口)へ進み、ロータリーを抜けて運河沿いの通りを北東へ進むと、特徴的なルーバーの外観を持つ本社ビルが見えてきます。平坦なアプローチのため歩行の負担はほとんどありません。
Q3:南青山から潮見へ移転したことで、久米設計の業績や採用に悪影響はありましたか?
A3:移転による悪影響はなく、むしろ大幅なプラスに作用しました。自社ビルそのものが卓越したプレゼンテーションツール(ショーケース)となり、環境配慮型オフィスやBCP対策を検討する多くの民間デベロッパーや自治体への強力な受注アピールとなっています。採用面でも、快適で開放的なオフィス環境に魅力を感じてエントリーする優秀な建築学生が増加しています。
まとめ:組織設計事務所の未来を体現する「生きた建築」の価値
江東区潮見にそびえ立つ久米設計本社ビルは、単なる一企業の事業所という枠組みを遥かに超えた存在です。創業者・久米権九郎の合理的構造思想を受け継ぎ、都心一等地の看板を捨ててまで手に入れた「実験場」としての自社ビル。そこで培われた免震技術や自然通風のノウハウは、日本全国の公共施設、大規模複合ビル、教育文化施設へと還元され続けています。
建築物は建てて終わりではなく、使い続け、気候や人の働き方に寄り添いながら成長していくものである——。久米設計本社ビルが放つ静かな存在感は、持続可能性が叫ばれる現代社会において、建築本来のあるべき姿を雄弁に物語っています。 (出典: 久米 設計 本社 ビル(Yahoo!ニュース))